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コラム

2023.04.19

AIレコメンドエンジンとは?仕組みから活用シーンまでシンプル解説

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実店舗での買い物では、店員からおすすめの商品を紹介される機会が多くあります。このような接客体験について、以前は「実店舗ならではの体験」とされていました。しかし、現在はECサイトなどで当たり前に「おすすめの商品」が提示されるようになり、実店舗以上に正確でユーザー一人ひとりに最適化された接客体験へと進化しています。
このように、実店舗以上に精度の高い接客を可能にしているのは、AIを搭載したレコメンドエンジンが機能していることに他なりません。
本コラムでは、AIレコメンドエンジンの仕組みと活用シーンについて分かりやすく解説します。

01.ECサイトで標準機能化するレコメンドエンジン

レコメンドエンジンは、ECサイトやWebサイトのユーザーにおすすめ商品(おすすめコンテンツ)を表示するシステムを指します。
ECサイトのアップセル・クロスセルを効率的に後押しするため、現在のECサイトにとってなくてはならない、標準機能として認識されつつあります。

02.レコメンドエンジンの仕組み

オンラインショッピングの際に「●●もおすすめ」「●●を購入した人は○○も買っています」のように、様々な文脈でおすすめの商品を紹介された経験がある方がほとんどではないでしょうか。
このような提案(レコメンデーション)こそが、レコメンドエンジンによって実行されています。レコメンドエンジンの実装によって、どのようなサイトでもレコメンデーション機能の導入が可能になるのです。
レコメンドエンジンには基本となるいくつかの技術があり、以下にその仕組みを紹介します。

ルールベースレコメンド

ある行動Aを取ったユーザーには、Bについての情報を提供するといったルールを事前に決めておくアルゴリズムです。
最もシンプルなレコメンドアルゴリズムのため、比較的導入しやすい仕組みといえますが、あくまで事前に想定された範囲内でのアクションになるため、応用範囲は狭くなります。

協調フィルタリング

レコメンデーションにおいて最も一般的な仕組みで、ユーザーのアクセス履歴や行動履歴をもとに、ある商品を購入した人が他にどのような商品を購入しているのかを明らかにして、おすすめ商品として提示します。
協調フィルタリングは、既存ユーザーのアクセス履歴や行動履歴を収集して分析をする流れになるので、管理コストを抑えられるというメリットもあります。

コンテンツベース・フィルタリング

商品のカテゴリとユーザーの好みの関連性からレコメンドを行う仕組みで、あらかじめ商品をカテゴリごとに分けて、そのカテゴリを選んだ人は、他にどのような商品を購入しているかといったデータを収集します。
協調フィルタリングではデータの蓄積期間が必要になりますが、コンテンツ・フィルタリングではカテゴリを分けた(設定した)時点からレコメンデーションが可能になります。

ハイブリッド・レコメンデーション・システム

最近では協調フィルタリングとコンテンツベース・フィルタリングそれぞれの長所を生かす仕組みとして、ハイブリッド・レコメンデーション・システムが主流化しつつあります。
異なるフィルタリング技術を組み合わせてレコメンデーションを行う仕組みとして、それぞれのレコメンドエンジンの弱点を補い、より精度の高いレコメンデーションを実現しています。
また、データが少ないケースにおいて、なかなかレコメンドの精度が上がらない欠点を補う方法としてベイズ理論があります。ベイズ理論では、主観的な確率である事前確率を先んじて設定し、新しいデータが加わるたびにデータの更新を行うことで、効率的に精度の高いレコメンデーションを可能にします。

03.AIレコメンドの活用シーン

AIレコメンドの活用範囲は広く、以下に具体的な活用シーンをご紹介します。

ECサイト

AIレコメンドエンジンの代表的な活用シーンとしてECサイトが挙げられます。ECのレコメンドエンジン活用によって、サイトから離脱しようとするユーザーに商品詳細ページへの再訪問を促すことができます。ユーザーにとっては、自分の興味関心に沿った商品(求める商品)を効率的に見つけることができるメリットが創出されます。

ECモール

Amazonや楽天などのECモールにおいても、AIレコメンドエンジンは多く活用されています。商品詳細ページの滞在時間や購入履歴などをもとに、ユーザーの味関心度が高いであろう商品をレコメンドすることで、成約率の向上を図っています。

人材マッチングサイト

様々な分野の人材マッチング(紹介)サイトでは、あらかじめ登録されたユーザー情報を蓄積し、蓄積されたデータをもとに企業の求める(求める条件に近い)人材を算出して紹介(アウトプット)する基盤機能として、AIレコメンドエンジンが活用されています。

ストリーミングサービスサイト

Netflixやradiko などのトリーミングサービスサイトにおいても、AIレコメンドエンジンが活用されています。ユーザーが閲覧(視聴)しているコンテンツ画面の一部に表示されるレコメンド情報(おすすめコンテンツ)出し分けを、AIレコメンドエンジンがパーソナライズしています。

紹介サービスサイト

不動産や旅行などの紹介サービスサイトでは、例えば不動産紹介サービスのユーザーが閲覧している物件の間取図の特徴をAIが解析し、特徴が類似している物件をレコメンデーションするといった具合に、AIレコメンドエンジンが活用されています。

04.まとめ

ECサイトを代表として様々なWebサイトで、日々レコメンデーションの精度が向上している状況は、AIの機械学習によってリアルタイムに有効データを収集すると同時に分析が可能になったことに他なりません。
機械学習によってユーザーの購入履歴やアクセス履歴を広く深く学習することで、実店舗での接客に勝るとも劣らないレベルで、ユーザー一人ひとりに最適な商品の紹介が可能になっているのです。

今後もオンライン上での購買行動がますます活発化することが確実視される現在、AIの活用範囲の広がりとともにAIレコメンドエンジンが進化するのは明らかで、今以上にユーザーが必要としている情報(コンテンツ)を最適化して瞬時に提示できるようになります。
AIレコメンドエンジンは、様々なビジネスチャンスを広げる強力なツールとして見逃せない存在といえるのではないでしょうか。

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この記事の著者

マイクロウェーブ マーケティングチーム

マイクロウェーブ マーケティングチーム

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