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コラム

2024.12.09

【実践】AI導入プロジェクトは「業務視点」が必要不可欠―AI活用検討の際によくある課題とは

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昨今、利用可能なツールの増加を背景に生成AI活用が盛り上がりを見せており、企業においてChatGPTや各ソフトウェアに付属するAI機能などを活用するシーンが増えてきています。そのような中、当社にもAI活用に関するご相談が増えてきており、プロジェクト化に向けた事前の打ち合わせ等を行う中で見えてきた課題を解説します。

「業務視点」がないことで起きるAI導入の課題と失敗

よくあるテーマとして、広告クリエイティブ作成業務や動画編集業務、画像認識と判別プロセスなど、比較的大きな粒度でAI活用に関するご相談をいただくことがございます。

日々行われる業務で工数が大きい分野についての自動化はメリットも大きく検討されやすいのですが、検討時に特に課題となるのが細かい作業レベルに関する現状把握です。例えばざっくり「クリエイティブ作成業務」といっても、そこには1つ1つの作業レベルの手順が存在し、その一連の流れで業務の最終成果物が出てきます。

こういった細かいレベルでの分解と把握を行わないままで単にツール導入などを実施してしまうケースでは、導入後に実は当該業務において重要だったポイントが抜けていることがわかったり、作業レベルでプロセスの追加が起こったりして、従前の業務とAI導入後の業務を比較した時に効率・成果がそこまで上がらないということが起きる可能性があります。

課題を踏まえたAI導入プロジェクト進め方のポイント

前述の課題背景を踏まえると、AI導入プロジェクトにおいて成果を出すためには、まず初めにAI導入を検討する業務について、最終成果物(業務のゴール)確認、当該業務について作業レベルの業務プロセス確認を行い、その後に各プロセスをAIでどのように変えるのか、を検討・整理するのが良いと考えられます。

1.最終成果物(業務のゴール)確認

一般的に業務には成果物(アウトプット)やなんらかの状態ゴール(処理結果)が最終成果物として存在します。例えば営業活動であれば、アウトプットとしては商談の議事録や見積書、提案書などが存在します。処理結果であればアポイントの設定が完了する、契約が締結される、などがあります。AI導入プロジェクトの目的として、これら最終成果に関連した工数の削減や成果の最大化を目指すことが想定されます。

2.作業プロセスの整理と明確化

AIを導入するポイントを明確にするため、業務における最終成果を生み出すまでの一連の作業手順を可視化する必要があります。作業手順を分解できたら、それぞれの作業レベルでインプット・処理・アウトプットがあるはずなので、こういった内容も可視化しておく必要があります。この整理によって具体的にどの作業プロセスでAIを活用できるのか、あるいはどのようなAIが必要なのかを検討することが可能になります。

3.具体的なAI活用によるメリットの検討

AIを活用するということは何かの作業を代替あるいは支援するということになるため、整理した作業プロセスごとに、実際にAIを使って何ができるのかを検討します。AIというと活用イメージが幅広いかもしれませんが、単に自動化したい場合はRPAの活用で実現できる場合もありますし、なんらかの判断や生成ということであればAIで実装する可能性もあります。AIを活用する場合でもAIを搭載した新規のシステム開発が必要な場合と、既存のツールのAI機能でまかなえる場合があります。

AI導入検討は適切なプロジェクト化と体制構築が重要

スムーズにAI導入を検討するためには、タスク整理・課題整理だけでなく前述のようなポイントを押さえながら進めていく必要があります。また検討体制にはAIに関する知識だけでなく、エンジニアリング、ビジネス理解、業務分析など多様なスキルが必要になります。

マイクロウェーブではプロジェクト全体のPMOからエンジニアリングまで、必要に応じて適切な担当者をアサインし、AI導入検討プロジェクト推進のお手伝いをしています。ぜひご相談くださいませ。

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この記事の著者

マイクロウェーブ マーケティングチーム

マイクロウェーブ マーケティングチーム

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