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コラム

2025.02.28

【解説】RAG(検索拡張生成)を活用して生成AIを実務や業務改善に活かすには?

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RAG(検索拡張生成)は生成AIが学習していない独自のデータベースを使うことで、生成AIの出力結果の精度を高める技術。これを活用して生成AIを実務や業務改善に活かす方法を想定ケースから解説します。

RAG(検索拡張生成)が生成AIにおいて重要な理由

RAG(検索拡張生成)は生成AIが学習していない独自のデータベースを使うことで、生成AIの出力結果の精度を高める技術。入力された質問をそのまま生成AIに与えるのではなく、質問に関する情報を独自データベース内から検索した結果を元に、生成AIに与える質問を拡張することで、精度の高い回答を得ることができます。生成AIが学習済みの一般的な情報だけでは解決できない質問に回答するためには、このRAGが重要なポイントとなります。

RAGを活用した生成AI利用(コールセンター)

RAGで活用する独自データ:FAQ、マニュアル、過去の回答データ
インプット:ユーザーからの質問(※音声のテキスト化も可能)
生成AIによる出力:RAGの独自データを加味した回答テキスト(※回答の音声化も可能)

RAGを使わない場合では、ユーザーからの質問に対して一般的な情報をもとにした回答しか生成することができません。しかし本来コールセンターで行うべき業務は、当該企業のサービスの内容を前提とした回答を行うことです。そのためコールセンター実務をAIに任せるとするならば、FAQやマニュアル、過去の回答データなどそのサービスに関する情報を活用する必要があります。

そこで、RAGにおいて前述のサービス関連情報を取り込んでおくことで、ユーザーから質問が来たらその内容を分析しRAG内のサービス関連情報を検索、回答すべき内容や方向性を絞ります。その上で生成AIに投げかけて最終的な回答を生成させ出力とすることで、一般論ではなく当該サービスに関する適切な回答文を得ることが可能となります。

システム内での生成AIとのやり取りはテキストになりますが、ユーザーから電話で質問がある場合はその音声をテキスト化、生成AIが回答した出力テキストを音声化という仕組みを前後に挟むことで、音声質問に対して音声回答を返す、ということも可能になります。

RAGを活用した生成AI利用(販促企画)

RAGで活用する独自データ:商品別の売上・紹介文・広告コピー・SNS投稿及びデモグラフィックデータ
インプット:新たに投入する商品情報
生成AIによる出力:新商品PRのキャッチコピーや紹介文

RAGを使わなくてもインターネット上で公開されている様々な商品のキャッチコピーや紹介文については生成AIが学習している可能性があるため、キャッチコピー案や紹介文の案そのものは出力が可能かもしれません。しかし各商品の売上や年齢性別などのデモグラ別売上傾向の情報は企業が独自に有している情報であり、これをRAGで活用することで今回投入する新商品のターゲットに対して過去売れた商品の傾向を加味したキャッチコピー・紹介文を生成できる可能性が高まります。

製造業でも商品数がたくさんある場合や、多くの商品点数を扱う小売・ECであれば、企業が保有するマーケティングデータは膨大であり、このデータを基にした販売促進のためのクリエイティブ制作を生成AIで精度高く実施できる可能性があります。

マイクロウェーブによるRAG開発と生成AI活用支援

マイクロウェーブではRAG開発のコアとなるエンジンを独自開発しており、これを活用することでスピーディかつ低コストでRAGを活用した生成AIによる業務システムの開発が可能です。ぜひご相談くださいませ。

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この記事の著者

マイクロウェーブ マーケティングチーム

マイクロウェーブ マーケティングチーム

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