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コラム

2023.06.16

サイト運営者のBCP対策。基礎知識と策定ための10のポイント

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組織が予期せぬ事態や災害に備え、事業を守るための計画や対策が「BCP対策」です。
本コラムでは、BCP対策とは?から、BCP対策の重要性に続き、WEBサイトを運営する企業にとって具体的なBCP対策についてご紹介していきたいと思います。
ぜひこのコラムを参考にし、BCP対策の強化に取り組んでください。

BCP対策とは?そのポイントと目的

BCP対策のBCPとは(Business Continuity Planning)を略した言葉で、「事業継続計画」という意味です。
予期せぬ事態や災害などの緊急事態に対処すべき事項について計画を立て、適切な対応策を計画しておくことで、緊急事態にも対応できるようになります。

それではどのような事を目標に対策を講じるべきでしょうか?

以下にBCP対策を検討する際の5つのポイントをご紹介致します。

1. 事業の継続性確保

BCPの最も重要な目的は、組織の事業を継続することです。
災害やインシデントが発生した場合でも、適切な対策や予防策を講じることで事業の中断を最小限に抑え、顧客や利害関係者へのサービス提供を継続することが可能となります。事業の継続性を確保することは、組織の信頼性と競争力を高める重要な要素です。

2.リスク管理と脅威対策

BCPは組織が直面するリスクや脅威を適切に管理し、事前に対策を講じることを目的としています。
自然災害、サイバーセキュリティ攻撃、人為的ミスなど、さまざまなリスクが事業に影響を及ぼす可能性があります。BCPは、これらのリスクを評価し、事前に対策を計画することで、組織の安定性と持続性を確保します。

3. ステークホルダーへの責任と信頼

組織は、顧客、パートナー、従業員、株主など、さまざまなステークホルダーに対して責任を負っています。
BCPを実施することで、組織はステークホルダーに対して自身の事業継続性への取り組みと責任を示し、信頼を築くことができます。ステークホルダーは、組織が予期せぬ事態に備えていることを知ることで、組織への支持と連携を強化することができます。

4. 法的・規制要件の遵守

特定の業界や地域には、BCPの策定と実施が法的・規制上の要件として求められる場合があります。
BCPを適切に実施することで、組織は法的・規制上の要件を遵守し、罰金や制裁などのリスクを回避できます。また、BCPを実施することで、企業イメージや評判を保護し、信頼関係を築くことも重要です。

5. 災害やインシデントによる損失の最小化

BCPは災害やインシデントが発生した場合に損失を最小化することを目的としています。
適切な対策や復旧手順の策定により、事業停止やデータ損失、金銭的損失などのリスクを低減することができます。これにより、組織は迅速かつ効果的な復旧を実現し、被害の拡大を防ぐことができます。

6. 業務効率と総合的なリスク管理

BCPは組織の業務効率を向上させる効果もあります。リスクや障害を事前に予測し、対策を講じることで、業務の中断や混乱を最小限に抑えることができます。
また、BCPは単なる災害対策だけでなく、総合的なリスク管理の一環として位置付けられます。組織は、BCPの実施により、ビジネス上のリスクを特定し、それに対する適切な対策を講じることができます。

WEBサイトにおけるBCPの策定方法

BCP対策のポイントや目的についてご理解いただけたところで、
次はWEBサイトのBCP策定内容にについて具体的な項目をあげ、それぞれ簡単に説明致します。

WEBサイト運用におけるBCP対策としては下記のような項目が想定されます。

1.サーバーとデータのバックアップ

ウェブサイトのサーバーやデータのバックアップ方法とスケジュールの計画
オフサイトバックアップやクラウドストレージの利用の検討とバックアップデータのセキュリティへの対策

2.システムの冗長性とフェイルオーバー

複数のサーバーの利用やロードバランシング、自動フェイルオーバーの設定によって、ウェブサイトの可用性と信頼性を高める計画

3. セキュリティとアクセス制御

ファイアウォールの設置、SSL/TLSの使用、アクセス制限やユーザー認証の実施などのセキュリティ対策

4. サイトモニタリングとアラート

ウェブサイトの状態やパフォーマンスを監視し、異常発生時の早期対応に関する計画

5. クライシスコミュニケーションの計画

クライシスメッセージの作成、ソーシャルメディアやメールリストの活用、顧客や利害関係者との適切なコミュニケーション手段の計画

6. テストと復旧計画

定期的な復旧テストやシナリオン演習の実施、復旧手順のドキュメント化、復旧時間の目標設定などの計画

7. 外部サービスとの依存関係管理

サービスレベルアグリーメント(SLA)の確認、代替プロバイダの選定、バックアッププランの策定など、外部サービスに関する対策

8. 継続的な監視と改善

パフォーマンスモニタリング、セキュリティ脆弱性のスキャン、ログの分析など、定期的な監視と改善手順の計画

9. スタッフの訓練と意識向上

緊急事態への備えや適切な対応方法についてのトレーニング、セキュリティ意識の向上など、スタッフの教育プログラムの導入

10. インシデント対応と復旧後の復旧

ウェブサイトでのインシデント発生時の対応手順と、復旧後の復旧プロセスの策定

以上の項目を計画しておくことで、
組織は予期せぬ事態に迅速かつ効果的に対応し、事業の継続性を確保することができます。


 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
WEBサイトにおけるBCP対策 について、大枠や目的、具体的な検討内容などについてもお分かり頂けたのではないかと思います。

ただ、最初から全ての計画を策定することは容易ではありませんし、
各組織での優先順位も異なります。

私たちはサイトの構築のみならず、安定的なサイト運用についても最適な方法でご支援いたします。

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この記事の著者

マイクロウェーブ マーケティングチーム

マイクロウェーブ マーケティングチーム

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