失敗しないECサイトリニューアルとは?15の成功ポイントを解説
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コロナ影響による生活者の行動変容、企業間取引のデジタル化が進む中、ビジネスのEC化に積極的な企業において自社ECサイトをリニューアルするケースが増えています。さらに売上を伸ばしたい、古く感じるデザインを刷新したい、オムニチャネルで商圏を拡大したいなど、さまざまな理由でECサイトリニューアルに着手しています。
ただし、ECサイトリニューアルによって必ず流入数が増え売上が伸びるとは限らず、失敗するケースも少なくありません。ECサイトリニューアル失敗の原因の多くは、リニューアル成功のポイントを見誤り、要所を押さえることなく進めてしまうことにあります。
本コラムでは、ECサイトリニューアル成功の15のポイントについてご紹介します。
01.リニューアルの目的を定義
ECサイトリニューアル成功の大前提は、その目的(理由)が明確になっており、かつその目的が妥当であることです。「なぜ、ECサイトをリニューアルするのか?」の問いに、明確かつ妥当な答えがなければ、ECサイトリニューアルは必ず失敗します。
ただ単に「売上を伸ばしたい」のような漠然とした目的ではなく、UI/UXの刷新で顧客満足度を30%上げる、レスポンシブルデザインでスマホ売上を50%上げる、MAツール連携で新規ユーザー獲得を20%上げる、CRMツール連携でリピート率を30%上げる、バックエンドシステム連携で出荷効率を20%上げるなど、明確かつ妥当な目的を設定する必要があります。
ECサイトリニューアルの目的を具体的な数値で捉えていないと、リニューアルの方向性が定まらず、ベンダーの提案に対すて適切な評価もできません。目的達成に向けて何をどうする必要があるのか、可能な限り明確にすることで、リニューアル失敗のリスクが確実に下がります。
また、ECサイトリニューアルの是非を判断する経営層(意思決定者)にとっても、その目的が明確であり具体的な効果が見込める経営戦術として、しっかりと定義されていることが重要です。
02.顕在・潜在課題の洗い出し
既存ECサイトのどこが(何が)問題で、どのように変えるべきなのかを、ユーザー視点と管理者視点の両面から考えます。
モバイルの利用率が低い、会員登録に手間がかかる、オーダーページの離脱が多い、リピート率が低い、返品率が高い、商品発送まで時間がかかる、管理画面が使いづらい、バックエンド業務が煩雑など、あらゆる課題を詳細に洗い出すことが肝心です。
03.サイトマップの最適化
現状課題を踏まえて、どのようなECサイトを目指すのか(どのようなECサイトへとリニューアルするのか)を描くためにサイトマップを見直し、目指すECサイトのサイトマップへと最適化していきます。
しっかりとしたサイトマップがあることは、より具体的な費用とスケジュールの算出が可能になり、ECサイトリニューアルを確実に進めるためにも効果的です。
04.レスポンシブデザインの最適化
レスポンシブデザインは、PCやスマートフォン、タブレットなどの複数のデバイスでの表示を最適化するためのサイトデザインです。インターネット利用者数はPCよりもスマートフォンが上回っており、スマートフォンでのサイト利用(流入)を逃さないためにも、ECサイトのレスポンシブデザインは必須といえます。
ユーザーの購買意欲に応えるECサイトならではの工夫が、どのデバイスでも生かされるレスポンシブルデザインを検討し、最適化する必要があります。
05.商品カテゴリの最適化
既存ECサイトのアクセス解析による流入キーワードの分析から、商品カテゴリの設計見直し、最適化を図ることで、リニューアル後のアクセス収集効率を高めることができます。
現状とは異なるキーワードからでも、ユーザーが求める商品を表示できるように設計することが大切です。
06.レビュー(口コミ・権威づけ)の取り込み
実際に商品を購入し、使用したユーザーによるコメント(具体的なメリットや使用感など)をレビュー(口コミ)として取り込めるようにすることも大切です。生活者にとってECサイトが商品認知の情報源のトップになっており、ECサイトを通じたユーザーコミュニケーションの精度を高めるためにも、ユーザーにとって共感性の高いレビューの活用は重要になります。
また、公的な研究機関や専門家によるレビューの活用で、商品価値の向上(権威づけ)を行うことも効果的です。
07.コンテンツSEOの最適化
ブログ運用などのコンテンツパワーでECサイトのSEO価値を高めるコンテンツSEOは、ECサイトへの直接流入の増加と継続を図る上で外せない施策です。ECサイトマーケティングの必須施策として今では当然のように導入されています。
ただやみくもにコンテンツを増やせば良いというものではなく、限られたリソースと予算内での運用(コンテンツ生産)効率が求められ、ECサイトへの直接流入に最適化されたコンテンツ設計が必要になります。
08.UXデザインの最適化
顧客体験を意味するUX(ユーザエクスペリエンス)の向上は、ECサイトリニューアルのメインテーマといえるほど重要です。ECサイトを利用したユーザーが、購買行動を通して何を、どのようなこと感じたのかにフォーカスすることで、顧客理解を深めるための思考です。
ユーザーの視点(立場)でECサイトを見直し、使いづらさの解消や心地よさの提供など、顧客満足度の向上に繋がるUXをサイトデザインに落とし込み、最適化していきます。
09.将来性(トラフィック拡大)の予測
ECサイトリニューアルに成功した後も継続的にアップデートを繰り返していく過程では、必然的にトラフィックが拡大します。
このような変化を予測した上で、リニューアル後のECサイトに見合うインフラを想定します。
10.リダイレクトの設定
ECサイトリニューアルの後にアクセス数が減ってしまう場合、その原因としてリダイレクトを設定していない(リダイレクト設定の精度が低い)という理由が考えられます。
リニューアル以前のECサイトや関連するコンテンツにアクセスしたユーザーが、リニューアル後のECサイトへ確実にアクセスできるよう、抜け漏れなく正確にリダイレクトを設定する必要があります。
11.グロースドリブンデザインの取り組み
グロースドリブンデザインは完成度100%を目指すのではなく、早い段階でECサイトを公開し、その後に効果検証を繰り返すことでECサイト全体の最適化を目指すリニューアル手法で、ECサイトの改善スピードを上げることができます。
グロースドリブンデザインによるECサイトリニューアルでは、解析データを確認しながら細かな改善をリアルタイムで行う必要があるため、ECサイト構築パッケージのソースコードが公開されており、かつ内製可能な体制を確保できるかどうかが判断基準になります。
12.ECサイト構築パートナーの選定
ECサイトリニューアルを外注(パートナー企業に依頼)する場合は、パートナー企業の選定条件を押さえた上で、自社にとって最適な企業を選ぶことが重要です。
ECサイトの構築実績やECサイトリニューアルについての具体的な方法、ECサイトに限らないWebサイト構築やシステム開発実績や知見など、自社が目指すECサイトの実現に必要なスキルとビジネスパートナーとしての条件を満たしているかを詳細に確認する必要があります。
13.Web広告・LPの最適化
EC売上の拡大を目指す上で、ECサイトリニューアルはWeb広告(リスティング広告やSNS広告など)やLP(ランディングページ)を見直す絶好のタイミングといえます。
ECサイトリニューアルの過程で、自社ECサイトの方向性や強み(弱み)が明確になっており、相乗効果の高いWeb広告・LPの最適化が見込めます。
14.サイト構成の変化とSEOのバランス調整
ECサイトリニューアルに伴うUI/UX、サイトマップなどの構成変更によって、SEO評価が下がる場合があります。
継続的な施策効果の蓄積にあたるSEO評価が下がり過ぎてしまうと、リニューアルの意味を成さなくなってしまうため、SEOとのバランスを考慮した構成変更が重要です。
15.カスタマージャーニーの最適化
カスタマージャーニーは、ユーザーがECサイトに出会うまでと出会ってからの行動、さらに購入に至るまでの状態の移り変わりを指し、ECサイトリニューアルではそれをマップ化したカスタマージャーニーマップを用いてECサイトとユーザーの接点を把握し、最適化していきます。
ユーザー接点の移り変わりに沿って、取りこぼしのない(離脱しない)サイトデザインを設計することで、ユーザーにとってストレスなくリピート性の高い購買導線が整い、売上拡大(利益率アップ)に繋がります。
16.まとめ
ECサイトリニューアルは、前述の15の成功ポイント以外にも、取り扱い商品やターゲットユーザーなどの違いで押さえるべき要所が変わり、決して簡単ではありません。
自社ECサイトの顕在課題と並行して潜在課題の解決を先取りすることで、ECサイトのさらなる可能性を見出し、これからの時代のECビジネス成功に必要なプロセス(最適な手段)である場合は取り組むべきです。
リニューアルの目的が不明確、経営的観点を欠いた状態でのECサイトリニューアルは、失敗のリスクが大きくなります。ECサイトリニューアル成功のポイントを押さえた上で、慎重に進めることが重要です。
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この記事の著者
マイクロウェーブ マーケティングチーム
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