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コラム

2024.07.22

【解説】生成AIを効果的に活用するための「プロンプトエンジニアリング」とは

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プロンプトエンジニアリングとは、AI(人工知能)の中でも特に自然言語処理を担うLM(Language Model)を効率的に使用するために、言語モデルへの命令(プロンプト)を開発・最適化する学問分野です。近年注目を集めている生成AI技術において、プロンプトエンジニアリングは、AIの能力を最大限に引き出すために欠かせない要素となっています。

プロンプトエンジニアリングとは

プロンプトは、言語モデルに何をすべきかを伝える指示方法であり、タスク、背景・文脈、形式、評価基準のなどで構成されます。プロンプトエンジニアリングはプロンプトを通じてAIから目的の出力を得るためのプロセスです。

プロンプトエンジニアリングの実践

プロンプトエンジニアリングを実践する際は、以下のステップで進めます。

1. タスクの整理

まず、モデルに実行してほしいタスクを明確にする必要があります。タスクを整理する際には以下の点に注意しましょう。

・タスクの種類: 文章生成、翻訳、要約、質問応答など、どのようなタスクを実行したいのかを定める
・入力データ: タスクを実行するために必要な入力データの種類と形式を明確にする
・期待する出力: タスクの完了時に期待する出力の種類と形式を明確にする
・評価基準: 出力の良し悪しを判断するための基準を明確にする

2. プロンプトの設計

タスクを整理したら、モデルに何をすべきかを伝えるプロンプトを設計します。プロンプト設計においては、特に以下の5つの点に注意しましょう。AIが期待する出力を行うためには曖昧さを避け、具体的でシンプルな表現が必要です。

・明確性: モデルに対して何をすべきかを明確かつ簡潔に伝える
・簡潔性: 必要最低限の情報のみを含み、簡潔に記述する
・具体性: 抽象的な表現ではなく、具体的な表現を用いる
・一貫性: 一貫した形式と文体で記述する
・客観性: 個人的な意見や偏見を含まず、客観的な表現を用いる

3. プロンプトの最適化

プロンプトを設計したら実際に実行し、期待する出力になっているかを確認します。基本的にはトライアンドエラーで様々なプロンプトを試しながら期待する出力になるまで繰り返していくことになります。

近年ではこの試行錯誤を手動で行うのではなく、プログラミングにより自動化する試みも出てきています。

プロンプトエンジニアリングの活用タスク例

プロンプトエンジニアリングは、主に生成AIで以下のようなタスクを最適化するために活用されています。

1. テキスト生成

・小説、詩、脚本、音楽作品、メール、手紙などの創造的なテキスト形式を生成する
・ニュース記事、ブログ記事、広告文、商品説明などの実用的なテキスト形式を生成する
・異なる言語間の翻訳を行う
・人間が書いた文章と区別がつかないような自然な文章を生成する

2. データ分析

・膨大な量のテキストデータから重要な情報やパターンを抽出する
・データに基づいて意思決定を支援する
・レポートやプレゼンテーションを作成する
・複雑なデータをわかりやすく可視化する

3. 対話AI

・人間との自然な会話を実現する
・質問に対して正確かつ詳細な回答を提供する
・ユーザーの意図を理解し、適切なサポートを提供する
・感情表現を取り入れた魅力的な会話を実現する

AI支援サービスのご提案

プロンプトエンジニアリングは生成AIを幅広く活用し、その可能性を大きく広げる鍵となる技術であり、今後ますます重要性を増していくと考えられます。適切なプロンプト設計と最適化を繰り返すことで、AIの能力を最大限に引き出し、高精度な生成や翻訳、情報検索を実現します。

マイクロウェーブではプロンプトエンジニアリングを含め、生成AIの活用支援サービスを展開しております。生成AIの活用や運用で課題がありましたらご気軽にご相談ください。

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この記事の著者

マイクロウェーブ マーケティングチーム

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